最近よく耳にする「食育」。子どもに食に関する知識を教え、豊かな食生活を送れるよう育むことです。
食育が大切なのはわかるけれど、「何からはじめていいかわからない」「毎日、手の込んだ料理をするのは大変」など、ちょっとハードルの高いイメージもあるかもしれません。しかし実は食育というのは、ちょっとした工夫やアイディアで手軽に実践できるのです。
今回は、食育につながる家づくりの工夫についてご紹介します。
1|<食べる>食育の基本は、楽しく食べること
まずは何よりも、“家族で楽しくテーブルを囲んで食事する”という毎日の経験が大切。どのような環境づくりをすれば、親子で楽しい食事タイムが過ごせるのでしょうか。
・ダイニングテーブルは余裕のある大きさを
1人分のテーブルの広さは、幅60×奥行き40cmが目安。4人家族なら幅120×奥行き80cmは最低でもほしいところです。ほとんどの既製品は、これよりも大きめのサイズとなっています。ダイニングテーブルは余裕あるサイズを選ぶと、家族の憩いの場となるでしょう。大きめサイズなら友人を呼んでおもてなしするときにも便利です。
・食事に集中できるダイニングの配置
ダイニングテーブルをあえてリビングと少し離すと、生活にメリハリがつきます。食事の時間は、食事に集中できるように。リビングとダイニングで高さを変えるスキップフロアも人気です。
・照明演出でもっとおいしく会話もはずむ
お料理の色を引き立ててより美味しく見せるには、青み~白のライトよりも、オレンジの強い電球色がおすすめ。最近の流行は食卓の上の天井からライトを吊るす「ペンダントライト」です。見た目にもおしゃれで、バランス良く食卓を照らしてくれます。適度な明るさを確保することで、自然と家族が集まり会話がはずむダイニングに。
2|<つくる>子どもがお手伝いしたくなる環境づくり
子どもにとっては、料理や片付けのお手伝いも立派な食育。ごはんをつくって食べることの楽しみとともに、大変さも学べます。
・キッチンは見通しのいい場所に
まずは、子どもがリビングで遊んでいるときや、ダイニングで宿題をしているときに、料理しているママやパパの姿が見えるということが大切。独立型のキッチンよりも、オープンキッチンや対面式キッチンがおすすめです。料理しながらコミュニケーションがとりやすく、「私もやってみたい!」と自然とお手伝いにつながります。
・キッチンとダイニングの配置
対面キッチンとダイニングテーブルは向かい合わせよりも、横並びのレイアウトが意外と便利。配膳や片付けでの移動距離が短くなります。みんなでお皿やお箸を並べたり、いっしょに準備から楽しんだりと、子どもの食生活への積極的な参加につながります。
・親子で料理できる広々キッチン
親子や夫婦でいっしょに料理したいなら、島のようにぐるりと回れるアイランドキッチンや、島の片側が壁についたペニンシュラキッチンがおすすめ!回遊性が高いので、複数人でキッチンに立っても作業しやすいです。家族みんなでキッチンを使えるよう、わかりやすい収納計画も重要!
3|<育てる>家庭菜園で野菜づくりにチャレンジ
私たちがおすすめしているのは、家に小さくてもいいので庭や畑をつくること。家族で野菜や果物、ハーブなどを育ててみませんか。自分で苗を植え、水をやり、やっと収穫できた野菜の味は格別!苦手な野菜も一口食べてみようかなと思うかもしれません。
・家の外に「第2のリビング」を
“アウトドアリビング”という考え方を知っていますか?家の外の庭やウッドデッキを、家族でくつろげるような第2のリビングとして活用するのです。家庭菜園でハーブや野菜を育てたり、週末には庭でごはんを食べてみたり・・・日常的に自然を感じることができます。
・庭に畑を
本格的に家庭菜園を楽しみたいなら、庭に畑をつくるのはいかがでしょうか。プランターでは難しい大きな野菜も育てられますよ。広いスペースがなくても、庭の一角にほんの1坪くらいあれば大丈夫。ブロックやレンガで囲って園芸用の土を入れれば、立派な畑になります。
・庭とキッチンのつながり
庭からリビング、キッチンは一続きで、見通しがよい配置にするのがおすすめ。室内にたっぷりと光も取り込めますし、子どもが庭で遊んだり野菜に水やりしたりする姿がキッチンから見守れます。いつも見える場所に家庭菜園があれば、子どもも積極的にお世話に取り組みやすいでしょう。収穫した野菜は、そのままキッチンに持ってきて新鮮なうちにいただきます。
まとめ
家づくりに食育の考え方を取り入れると、子どもの食習慣のベースをつくり、食べることの楽しみを知っていきます。さまざまな体験をとおして、食への興味や知識、そして健康な体を育んでいきたいですね。
私たちは、「心の豊かさ」を大切にした家づくりをおこなっています。子どもたちがごはんを美味しく食べられる、安心して眠れる、自然や人とのふれあいで豊かな心を育てる・・・私たちといっしょにそんな家づくりをしてみませんか。