ここまでは「住宅性能を高めるメリットは?」「HEAT20って?」と断熱性能を中心に解説してきました。住宅性能でもう一つ知っておきたいのが、気密性能について。その住宅がどの程度の気密性なのか、客観的に判断できるのが「C値」です。
前の記事はこちら
C値とは?
C値とは、住宅における「すきま」の面積のことです。C値が小さい=すきまが小さいということを示します。
例えばkokageの住宅では「C値は0.5㎠/㎡以下」としています。
家の床面積が100㎡だとすると、すきまは50㎠以下。つまり家中のすきまをすべて合わせても、名刺サイズより小さいということです。
C値はどうやって測定するの?
C値の測定には、このような「気密測定試験機」が使われます。
換気扇や給気口などの穴をふさいで、室内に置いたファンで外に空気を強制的に排出。空気が外に出ることで、家の中は「陰圧」になります。すきまから空気が入って、圧がもとに戻っていく時間などで、すきまの面積が測定できるというしくみです。
弊社ではこのような機械をつかった測定を、全棟でおこなっております。工事途中でチェックすることで、想定より大きいすきまがあっても発見、改善できます。
気密性能アップ=換気効率アップ
気密性能を上げると冷暖房効率が高くなるだけでなく、換気面でもメリットがあります。
2003年7月以降、新しく建てる家には「24時間換気システム」が義務づけられました。住宅全体を24時間換気し、1時間に1/2以上の空気を入れかえる設備です。
このとき「不要なすきま」がたくさん空いていると、計画換気がうまくいかず、換気にバラつきがでてしまいます。すきまが少ないと、家全体の汚れた空気をまんべんなく外にだし、いつも新鮮な空気で満たすことができるのです。
気密性能は施工品質で決まる
C値を下げるには、まずは気密性の高い部材を使うこと。しかしどんなに高性能の材料を使っても、施工品質が悪ければすきまができてしまいます。
断熱材のつなぎ目に気密テープを貼ったり、窓や換気扇のまわり、柱のつなぎ目にすきまがあかないようよう処理したりと、さまざまな配慮が必要です。
住宅を建てるなら気密測定も行おう
気密を高めるには腕の良い職人が必要。建築コストを抑えたいローコスト住宅や建売住宅では、なかなかこまやかな配慮は難しいのが現実です。また大手のハウスメーカーでは、職人の腕にバラつきがあるため、気密について保証できないことも。
日本では、先ほど説明したような気密測定は義務化されていません。そしてC値は、実際に測定しなければわからないのです。
住宅は人生で最も大きな買い物のひとつ。ぜひ自主的に気密測定をやっているような、技術に自信のある会社を選ばれることをおすすめします。