住宅のコストについて考えるとき、長いスパンでかかる光熱費という視点はとても大切です。実際に一つのご家庭で生涯かかる光熱費は2,000万円以上ともいわれていて、建築費より高くなることも多いのです。では光熱費がなるべくかからない家を建てるポイントについて解説したいと思います。
【ポイント1】建築費と光熱費を比べてみよう
光熱費がかからない家を建てるとなると、家の断熱性能をアップさせなければなりません。断熱材を分厚く入れたり、窓の性能を上げたりするので、もちろんそういった工夫を一切しない家に比べると建築費は高くなります。
仮に家の断熱性能を上げるために、200万円の見積もりがアップしたとしましょう。あなたはどう思われますか?もしかすると「200万円だすのはもったいないから、普通の家でいいや」と諦める方もいるかもしれませんね。
しかしそう簡単に判断してしまうは、実はもったいないんです。断熱性能を上げることで仮に年間8万円の光熱費が削減できたとすると、30年住めば240万円も光熱費をカットできる計算になりますよね。しかも住み心地も快適なので、とてもお得です。
どれだけコストアップするかはケースバイケースですが、目の前の建築費だけでなく、長い目で見た光熱費についても考えたほうがいいというのは頭に入れておいて損はないでしょう。
【ポイント2】断熱では「窓」が肝心!
光熱費がかからない家を建てるには断熱性能が重要というのは多くの方が知っていますよね。ですから壁内や床下に入れる断熱材を分厚くすればいいというのはイメージがつくかと思います。
しかしいくら壁の断熱材を分厚くしても、窓の性能が低いとあまり意味がありません。なぜなら家のなかで一番熱の移動が多いのは、壁ではなく窓だからです。
上の画像を見ても、夏は約7割、冬は約5割の熱が窓から流出しているということがわかります。まずは窓をグレードアップすると、非常にコストパフォーマンスよく家の性能をアップできるというわけです。
【ポイント3】太陽エネルギーを活用する
そして意外と知られていないのが、エアコンの消費電力は冷房よりも暖房のほうが高いということ。そのため光熱費について考えるときには「いかに暖房を削減するか?」をしっかり考える必要があります。
冬の暖かさを低コストで叶えるには、太陽のエネルギーの活用がポイントになってきます。太陽光はタダですから、しっかり使っていきましょう。
冬には南面の窓からなるべく日差しをとりいれるようにすると、ポカポカとした室内になります。しっかり断熱はして寒さは入れないようにしながら、日差しをほどよく取り入れるというイメージです。
ここで「冬に暖かいということは、夏は暑くなるんじゃない?」という疑問がでてくるかと思うのですが、安心してください。
たとえば庇・軒を太陽の高さにあわせてつくるなど「冬は日差しを入れつつ、夏は日差しをカットする」という設計をするんです。昔ながらのすだれのように、夏の日差しを遮る格子などを窓にあしらうのも一つの手です。
このように気候風土にあわせて設計することを「パッシブデザイン」といいます。
まとめ
奈良県香芝市は盆地になっているので、夏の暑さと冬の寒さがなかなか過酷です。これからは暑い日にも寒い日にも心地良く暮らせる家づくりというのがますます大切になってくるでしょう。気候風土に合わせた設計というのが何よりも大切になってくるので、その地域の気候風土によく知っている会社を選んでくださいね。