これまでの住宅ローン減税制度は2021年末まで?そんな話を聞いて、この先どうなるのかと気になっていた方も多いのではないでしょうか?
ようやく2021年12月10日に令和4年度税制改正大綱がとりまとめられ、2022年以降の住宅ローン減税の改正点が発表されました。どのような内容になるのか、ざっくりとポイントを見ていきましょう。
ポイント1:住宅ローン減税制度は4年間延長!
住宅ローン減税制度じたいは4年間延長され、2025年末まで受けられるようになりました。
ポイント2:控除率は1.0%→0.7%にダウン!
これまでは年末の住宅ローン残高の1%が控除されていましたが、これは逆ザヤ状態になってしまっていました。たとえば「住宅ローンの金利が0.5%なのに、住宅ローン減税が1%」といったように、手元に現金があってもローンを組んだほうがお得だったのです。
これが控除率0.7%に下がったのが、今回の改正で大きなポイントの一つです。
例)住宅ローン残高3,000万円の場合
改正前:1%→30万円が戻ってくる
改正後:0.7%→21万円が戻ってくる
ポイント3:控除期間は10年→13年に延長!
最近の住宅ローン減税は所得増税のために13年に延長されていましたが、もともとは原則10年の控除期間でした。
これが今回は、新築の場合は13年に延長されています。ちなみに中古住宅は10年のまま据え置きです。
これは所得が低めの方には朗報!これまで所得税・住民税で控除しききれなかった分が、3年伸びる分プラスにはたらく可能性があります。
ポイント4:ローン残高の上限が変更
住宅ローン控除額の上限も変更予定です。
【住宅ローン残高の上限(控除額の上限)】
控除率が1%→0.7%に下がることで、一般住宅で最大400万円だった控除額が、最大273万円とダウンします。しかし新しい制度では認定住宅・ZEH・省エネ適合住宅の上限がアップするので、実際にはそこまで金額が変わらないという方も多いと予想されます。
ポイント5:所得上限が3,000万円→2,000万円にダウン
これまでは控除を受けられる所得上限は年間3,000万円でしたが、2,000万円に引き下げられる予定です。
これまでの住宅ローン減税は、高所得でたくさん所得税を払っている方ほどお得な制度でした。しかし改正で、富裕層よりも中間所得層向けの制度に変わるといわれています。
まとめ
今は金利が非常に低く、変動金利だと0.3〜0.4%で借りられるケースも多いです。仮に住宅ローン控除率が0.7%に下がっても、利息以上の恩恵が受けられる計算になります。まだまだお得に使える制度なので、これから住宅を建てる方は賢く活用していきましょう。