一歩ふみこんだ家づくりとして、建築基準法における①採光②換気という2つについて解説しました。今回は、「土地と建物」について見ていきたいと思います。
建築基準法における土地と建物のルール
まず前提として、「自分の土地だからといって、何でも自由に建物を建てられるわけではない」ということを知っておかなければなりません。
安全で良い街をつくるためには、一つ一つの土地の所有者がルールを守って建物をつくらなければならないのです。
1|接道義務
1つ目のルールとして「建物を建てる土地は、建築基準法上の”道路”に接していなければならない」というものがあります。
なぜこのようなルールがあるかというと、道路に接していないと災害時の避難がスムーズにできなかったり、救急車や消防車が近くまで入れなかったりと、安全上の問題がでてくるからです。
ここでいう”道路”は、国道や市道といった公共の道路だけでなく、みなし道路や位置指定道路など個人・民間業者が管理している特定の私道も含まれます。
2|用途地域
そして建物といっても、住宅だけでなく工場やビルなどさまざまなものがありますよね。
重帰宅や工場やビルがごちゃごちゃと集まって立っているよりも、住居は住居、工場は工場とまとまっていた方が、お互いに活動しやすくなります。
そこで市街化区域では、「住居系・商業系・工業系」と3つに分類、これをさらに13種類に分類して、それぞれ建てても良い建物の種類を決めています。
閑静な住宅街が良いのか、お店があって便利な方が良いのか…希望にあわせた地域で土地を探すと、暮らしやすいですよ。
3|建ぺい率・容積率・斜線制限
同じ大きさの土地であっても、建てられる建物の広さや高さは異なります。
建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合
容積率:敷地面積に対する延べ面積の割合
斜線制限:道路斜線、隣地斜線、北側斜線など高さに関するルール
こういったルールがあることで、「隣にいきなり高層ビルができて暗くなった!」「みんなが土地ギリギリの大きさで家を建ててしまって街がぎゅうぎゅうに!」なんていうトラブルを防ぐことができます。
建物の間に適度なすきまができ、高さも制限されることで、風通しや日当たりを確保するのはもちろん、防火対策や景観を守ることもできるのです。
これらの制限は用途地域ごとに上限があり、土地によって数字が決められています。
まとめ
注文住宅を建てる土地を購入するときには、こういった建築基準法のルールも確認しなければなりません。「学校や職場に行きやすいから」「駅に近いから」といった条件だけでなく、「この土地には自分の希望している家が建てられるのか?」という視点をもって土地選びをすることで、より理想に近い家が建てられるでしょう。
注文住宅を建てるなら土地が必要だな…とまず不動産会社に行くのではなく、ぜひ土地探しの段階から、家を建てるプロである住宅会社に介入してもらうことをおすすめします。