快適な戸建て住宅をつくるには、窓の断熱性能がとても重要です。壁や屋根の断熱材ももちろん大切ですが、窓の性能は非常にコストパフォーマンスよく断熱性能を上げることができます。今回は窓は窓でもガラス部分ではなく、周りのサッシについて見ていきましょう。
アルミサッシ
昔は主流だったのが、アルミ製のサッシです。コストの安さ、軽量で強度があって錆や腐食にも強い…といった理由でよく使われてきました。
しかしアルミサッシは外壁に比べてかなり断熱性が低いです。つまり外から暑さや寒さが入ってくる、断熱の弱点になってしまうんですね。夏は窓からムンムンと暑さが伝わってきて、冬はひんやりとした冷気を感じやすくなります。
樹脂サッシ
断熱性能が高いのは、樹脂製のサッシです。アルミと比べると熱の伝わりやすさは1/1000ほどと、断熱性が非常に高くなっています。
樹脂サッシにするとコストは上がりますが、最初にお伝えしたように、窓の断熱性能アップはとてもコスパが高いです。ご予算がだせるなら、樹脂サッシを選ばれることをおすすめします。最近は昔に比べて、樹脂サッシの値段も下がってきていますよ。
アルミ樹脂複合サッシ
予算上、樹脂サッシが難しい…という方は複合サッシを選ばれることも。屋外側がアルミ、室内側が樹脂のサッシです。
断熱性能では樹脂サッシに劣るものの、コストとしてもアルミと樹脂の中間に抑えられます。
日本は窓の後進国!?
日本はものづくりが得意な先進国…そんなイメージがありますよね。しかし残念ながら窓については、世界に遅れをとっているといわれています。
窓の性能は「U値(熱貫流率)」という数値でわかります。簡単に言うと「1時間にどのくらいの熱を通すか」という数値なので、U値が小さいほど窓の性能は高いということです。
では世界の窓のU値の最低基準を比べてみましょう。
・フィンランド1.0
・ドイツ1.3
・イギリス1.8
・フランス1.6
・韓国2.7
これに対して日本はというと…
最低基準は存在せず、★の数で等級を示しています。最高ランクの★★★★でも、U値は2.33以下。世界と比較すると、日本は基準がゆるめということがわかりますよね。
そのため「最高ランクの窓なので安心」という説明だけでなく、具体的にどのくらいの性能があるのかを見ていく必要があるでしょう。コストやデザインとの相談にはなってくるかと思いますが、夏涼しく冬暖かい家に住みたいという方は、窓の性能にも注目してみてくださいね。
私たちの家づくりの一つの特徴が「大きな窓」です。光や風を感じられるような心地いい窓をつくっています。しかし憧れの大きい窓は、「断熱・気密」の知識がなければ寒さや暑さに直結してしまいます。高気密高断熱にこだわりながら、開放的で心地良く暮らせる空間を…そんな家づくりを私たちといっしょにしませんか?