温暖化は世界的な問題となっており、各地で異常な暑さや豪雨、ハリケーンなどの異常気象が続いています。
熱中症による搬送も相次いでおり、暑さ対策には気を付けなくてはなりません。
熱中症といえば外で起こるイメージですが、室内でも発症することを知っていますか?
室内温度が上昇した環境の中で過ごしていると、めまいや頭痛などのトラブルが現れ、ひどい場合はショック状態になることも。
「外出しているときに何かあったら……」と考えると、心配でなりません。
大切な家族だからこそ、“安心・安全”に暮らしてほしいですよね。
そこで今回は、室内温度が上がるメカニズムや安心して暮らせる環境条件、室内温度を下げる方法をお伝えしていきます。
👉夏の室内温度は何度まで上がる?
「外よりも室内のほうが涼しいはず」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかしそうとは言い切れず、家の造りにもよりますが、外の気温より高くなることもあります。
例えば東京都内にあるアパートの最上階に、南向きの日当たり抜群な2LDKがあります。
最高気温36℃の晴れた日、21時の角部屋(南向き)の室内温度は42℃を記録しました。
気温は14時ごろがピークだとされていますが、それから7時間経っても熱は逃げずにこもったまま。
暑さ対策をせずに子供や高齢者を残したまま出かけると、最悪の事態を招きかねません。
極端な例をあげましたが、部屋の特徴によって“温度の上がりやすさ・下がりにくさ”は変わります。
ここからは、安心して過ごせる家か見極めるポイントをご紹介します。
👉夏に室温が上がるメカニズム・上がりやすい家
寒い日の日中、部屋の中に入る日差しで暖をとった経験はありませんか?
ポカポカしていて温かいですよね。
これと同じで、部屋のこもった暑さは「気温+太陽」によって発生します。
室内温度の原因である太陽の熱は屋根や外壁、床、窓から伝わり、家の中に侵入する仕組みです。
その中でももっとも熱を通しやすいのが「窓」で、全体の7割を占めます。
窓の多い家はデザイン性が高く風通しもいいため高い人気を誇りますが、そのぶん熱を通しやすく、室内温度を上げやすいのです。
つまり窓の多い家に住む際は、“遮熱性能”の高い窓を選ぶことがポイントになってきます。
その他、室内温度が上がりやすい家の特徴は以下のとおり。
・鉄筋コンクリート造り
・コンクリートの外壁は冷めにくい
・内壁がコンクリート打ちっぱなし→熱がダイレクトに伝わる
・最上階
・西向き(西日)、南向き(日中)の部屋
・窓が多く日光が入りやすい
・風の通り道がない
上にあげたように、窓だけでなく「コンクリート」もポイントになってきます。
鉄筋コンクリートで使用されるコンクリートは、大きな“熱容量”によって温まりにくい反面、
たくさんの熱量を蓄えられる“蓄熱性”により冷めにくいという特徴も。
一度温まったコンクリートは冷めにくく、家づくりには断熱材が必要不可欠です。
最近のデザイナーズマンションでは「コンクリート打ちっぱなしの部屋」よく見られるようになりましたよね。
多くの場合、コンクリートむき出しの状態は断熱材を使用していません。
外断熱工法が採用されていれば快適に過ごせますが、採用されていない部屋の室内温度は異常に高くなります。
このように、家は人と同じようにそれぞれ個性や特徴があります。
得意・不得意が家によって違うので、今住んでいる家、もしくはこれから住む家がどんな個性を持っているのか確認してみましょう。